研究会
このたび,会員の日常的な研究・交流活動を支援する目的で,会員が運営している研究会を,「共生社会システム学会内研究会」として承認・支援していくことが決まりました。承認される条件は,代表者を含む3名以上の会員(正会員でも学生会員でもかまいません)が研究会を運営していることです。
学会内研究会については,開催時には日程を会員等に対して公開していただき,定時大会等で研究成果を発表していただきます。このことにより,研究会の活動を多くの会員に知ってもらうことができ,研究交流の機会が増えることが期待できます。
もちろんこれは会員限定ということではありません。研究会は公開が原則であり、会員以外の方々もぜひご参加ください。
学会内研究会として運用したい会員の方は,運営委員長の岡野 (i-okano(a)cc.tuat.ac.jp) までお問い合わせください。
共生社会システム学会「人と動物の共生」研究会
(世話人=高橋宏之、大和淳、大倉茂、朝岡幸彦)
いずれ動物園と水族館は、いま私たちが観ているものとはまったく違ったものになるかもしれない。動物園と水族館には、保護・研究・教育・余暇という4つの機能があることが知られている。まだ日本では極論扱いされている「動物園・水族館廃止」論の理論的バックボーンとなっている動物倫理学の主張の中には、現在の動物園や水族館を「動物虐待施設」と断定するものもある。確かに動物園も水族館も人類や国家の活動が地球全体に広がる歴史的な過程で生み出された社会的装置であり、ふだん目にすることのない珍獣・奇獣を生きたまま展示して、人びとを楽しませ、この世界のあり方を学ぶ時代は終焉を迎えようとしているのかもしれない。
どうも私たちは現代の価値観や技術の水準に合わせた、まったく新しい動物園・水族館のあり方を模索しなければならないのかもしれない。すでに環境エンリッチメントなどの視点から、動物飼育環境の大幅な見直しが進められている。だが、「動物の権利」論の立場はこうした飼育の改善自体が、動物を本来生息する環境から切り離して(狭い、人工的な空間で)飼育しなければならない必然性はすでに存在しないはずだと提起する。
こうした動物園や水族館における問題の外側(もしくは内側)には、食用の家畜、役畜、ペットとの関わり方の問題も広がっている。
本研究会は『動物園と水族館の教育』(学文社、2023年3月刊行予定)の刊行を契機に、動物園・水族館のあり方を一つの手がかりに、今後の「人と動物の共生」のあり方を幅広く議論したい。
今後、各月(4,6,8,10,12月)で第2火曜日の夜に開催予定である。
世話人連絡先: 髙橋宏之 (千葉市動物公園) htakahashi.czp (at) gmail.com
(共生社会システム学会関西)共生社会研究会
本研究会は2013年の共生社会に関するシンポジウムを準備する中で発足しました。その後、共生をテーマとする幅広い報告と学際的な論議をする場として40回以上開催しています。シンポジウムの成果として橘木俊詔編著『共生社会を生きる』、その後の研究会の中間報告として、宝月誠監修/福留和彦・武谷嘉之編著『共生社会論の展開』の2冊を上梓しています。
多様な専門分野の研究者が参加していることで、幅広い視点からの議論が展開されています。
概ね、年間5回の開催を目処としています。コロナ禍ではオンラインでの開催に踏み切り、現在ではハイブリッドで全国から参加していただけるようになりました。学会員各位のご参加をお待ちしています。
事務局連絡先 武谷( taketani (at) nara-su.ac.jp )